「自由業」弁護士の終焉

     弁護士という仕事の魅力とは何かという問いかけに、「自由業」であるということを挙げるのは、およそ一般的なものといえました。もちろん、志した側の動機は、人によってさまざまですし、このこと以外に魅力を語る人もいますが、雇用関係に縛られず、自らの専門的な能力によって自立する仕事の魅力的なイメージが、確かに弁護士という仕事とともに存在してきたことは、誰も否定しないと思います。一般的な認識としても、それこそ「自由業」の例示として必ず挙げられるといっていい、この仕事は、その典型的なモデルであると同時、経済的な安定性からも、最も優位な「自由業」と位置づけられてきたといっていいはずです。

     「もはや弁護士は自由業ではなくなりつつある」。こういう趣旨の発言が最近、業界の中から聞こえてきます。最近の弁護士ブログでも、まさにそのことを取り上げたものがありました(「弁護士湯原伸一〈大阪弁護士会〉の右往左往日記」)。まるでこの社会の隅々にまで弁護士の有償ニーズが存在しているかのような前提に立った激増政策の結果、いまやその期待の受け皿としては、自治体や企業で働くインハウスばかりが強調されています。「法曹有資格者」という、主体のすげ替えのなかにも、もはやかつてのような「自由業」的魅力を読みとることはできません。

     さらには、前記ブログ氏が言及しているように、「法テラス=官僚」「損害保険会社=巨大民間会社」に牛耳られる未来までが、この仕事の前に広がっている観があります。業界から聞こえる「自由業」終焉の予感は、それが当然、処遇において従属することになるという未来として、彼らがこの「改革」の結果を感じ出していることを示しているようにとれます。

     訴訟偏重といった業態批判とともに、多くの弁護士の価値観を「古い」という「改革」推進論者の言は、あたかもこの「改革」の先に、そうした弁護士の「古い」魅力にとらわれない、別の価値観の志望者たちが来ればいい、といって言っているようにも聞こえます。しかし、その見方は、いかにもこの増員政策の失敗の先に現れた後付けの未来像(「改革」当初にインハウスがこの国の弁護士の未来と提示されたうえでの増員政策推進だったのかという意味でも)であり、彼らにとって非常に都合がいいものにとれます。

     現在、進んでいる志望者の法曹界離れは、弁護士の経済的変化や法科大学院の経済的負担を勘案した、非常に現実的な「費用対効果」に対する反応とみることができます。ここに弁護士の「自由業」的魅力の終焉が、どれだけ影響しているのかは分かりませんが、いくら司法試験をいじっても、弁護士という仕事の魅力、妙味が復活しない以上、志望者が返って来る根本的な対策にならないことを、実はこの世界の多くの人が知っています。いつの日かこの仕事の「新しい」魅力に、志望者たちが眼覚めたとき、彼らは再びこの世界を目指す。そして、その時、増員政策の正しさは実証される――果たして、こういうことになるのでしょうか。

      今年2月に日本組織内弁護士協会が行った企業内弁護士アンケートで、勤務先を選んだ理由として回答が最も多く、半数以上が選んだのはワークライフバランスの確保であり、その比率が年々増えているという現実が話題になりました(「法科大学院『志望』をめぐる認識のズレ」)。この事実だけとれば、今の志望者の価値観が、独立した弁護士の「自由業」的な魅力から離れて、むしろ雇用関係の中で得られる安定に目を向け出しているという括り方はできてしまうかもしれません。ただ、それが本当に処遇面の妙味として、「自由業」の魅力にとって代わるものなのか、それとも「改革」がもたらしたこの資格の将来を見切った必然的な流れというべきものなのか、は一口には言い切れません。

     弁護士が魅力的な「自由業」であり続けること自体は、社会とってどちらでもいいという意見も聞こえてきそうです。ただ、「改革」は、弁護士の「自由業」的魅力を奪うのと引き換えに、社会に何をもたらそうとしているのでしょうか。独立の「自由」よりも、より雇用関係のなか安定を選ぶ。あるいはそちらの方が、まだ「自由」を得られるかもしれない――。そういう発想に志望者が傾斜しているのだとすれば、それが私たちにとって歓迎すべき別の価値観の弁護士の登場を意味するのか、独立した弁護士そのものの終焉という有り難くない未来を意味するのか。そのことは、私たちにとってもこだわりどころであるように思えます。


    弁護士、司法書士からみた、法テラスの現状の問題点について、ご意見をお寄せ下さい。司法ウオッチ「司法ご意見板」http://shihouwatch.com/archives/6046

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    テーマ : 弁護士の仕事
    ジャンル : 就職・お仕事





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    No title

    不毛な議論になるが

    >法テラスが新自由主義の進展のために果たした役割は大きい。赤字価格の設定で弁護士を貧困に落とし込み、スタッフ弁護士も法テラスの手先として所属している間はいいが退職後に貧困層に落ちる。

    残念ながら、法テラス設立を望んだ張本人が弁護士だったということも忘れてはならない。少なくとも日弁連執行部がその責任を(当時の執行部に持っていくか現在の日弁連執行部が受け止めるかは別)どこかに落とさなければどうしようもないだろう。
    いっそのこと、保育士問題のように、実際に(給与)明細を晒さないと一般にはわかってもらえないのではないか。
    あるいは
    >日本の弁護士も、ドイツ・アメリカと同じく、全体数が減少するというループに移行しつつある。
    ループが底に着くまであと何年耐えればいいのだろうか。その見込みがわかればいいのだが。弁護士の全体数と紛争数がイコールを超えるまで……。


    法律が「パンの学問」と言われる時代もあった

    法テラスが新自由主義の進展のために果たした役割は大きい。赤字価格の設定で弁護士を貧困に落とし込み、スタッフ弁護士も法テラスの手先として所属している間はいいが退職後に貧困層に落ちる。

    当然ながら、法曹志願者は減少し、現役の弁護士の請求退会も増加している。したがって、日本の弁護士も、ドイツ・アメリカと同じく、全体数が減少するというループに移行しつつある。

    供給数が減少しても、弁護士の収支状況は改善しない。法テラスが赤字の価格設定を維持し、加えて法テラス並みに無理な価格競争を依頼人サイドも期待するので、収支の問題に加え、品質についても、それこそ杭打ちのいい加減なマンションのような現象は起こる。

    それが嫌ならば、国民は、自分のトラブルは自分で解決することだ。無論、素人にマンションは建てられない。同様に、本人訴訟よりは弁護士代理のほうがいい。ただ、買い叩いただけのレベルの仕事になる。弁護士が敢えて手抜きをするというよりは、優秀な人間がマチ弁を辞めて転職したり、弁護士という肩書で別のことをしており「実務なんかやっていられない」という気持ちでいるので、残った弁護士は頑張ったところでそこそこの仕事しかできない、ということ。

    法律はもはや、「パンの学問」ではない

    No title

    実際のところ……

    弁護士よ、これが今の修習生の考えだ(会務について)
    https://twitter.com/reichi0011

    多分思っているよりもはるかに世代の断絶は大きいぞ

    No title

    法テラスの問題は、ここにまとめられているらしい。

    http://blog.livedoor.jp/bakara2012/archives/44906927.html#comments

    ブログ主が書いている内容ではなく、引用されている書き込みが、参考になる。会計検査院、何してる?

    チェックは一つも当てはまらなかったが、
    このチェックはいくつ付けば行き詰まりなんだい?

    まぁ↓の奴は完全に若手向けだな。ベテランには全くかすりもしない。
    山の下が崩れても、上の部分は特に支障がないというか。

    No title

    >方法問わず金を稼ぐ奴が大正義になれちゃうわけだ


    それが、司法制度改革が掲げる「自由競争」の意味でしょ?
    こういう弁護士は行き詰まると思うね
    □法テラス民事扶助利用率が全受任事件の20%を超えている
    □委員会活動や弁護団活動に精を出している
    □国選刑事事件を5件以上持っている(否認事件は1つで自白事件5つと数える)
    □依頼者または相手方に基地外がいる確率が高い
    □顧問先がない
    □ロースクールなどで借金が300万円以上ある
    □即独もしくは登録後2年以内に独立
    □ローでも中堅規模以下のところ

    No title

    毎年30人近くがやめてるのね・・・現役ってだけでドヤ顔するわけだ

    ?
    一ヶ月30人ね。
    少ない月だから。
    年間だと500人

    別にドヤ顔してるわけじゃないだろう。
    明日はわが身なんだから。

    No title

    弁護士は上から目線の無能が多いって印象を持っているが
    毎年30人近くがやめてるのね・・・現役ってだけでドヤ顔するわけだ
    方法問わず金を稼ぐ奴が大正義になれちゃうわけだ

    No title

    10月号によると7月の請求退会者(留学、任期付公務員等除く)は30人だね。

    No title

    情報が古い。2週間で56人です。

    No title

    弁護士という職業が終焉を迎えてしまいました。
    合掌

    No title

    >田舎弁護士ですが、会務の拘束が強すぎて、全然、自由業では無いですね。

    弁護士会に顔を出さなければいいのではないでしょうか。
    弁護士会が仕事を与えてくれるわけではありません。
    何らかの恩典をあたえてくれるわけではありません。
    会務負担でつぶれても責任を取ってくれるわけではありません。
    一方で、弁護士会の業務のうち、公益性があるものは限られています。ほとんどが、税金や補助金で運営されている自治体その他の公益団体が担うべきことです。弁護士が無償でやる必要はどこにもないといえるでしょう。
    まして、今の弁護士は、ロースクールで借金を抱えています。彼らには、会務より、借金返済を優先させるべきでしょう。借金を背負った人間に、公益的かどうかもよくわからず、しかも自治体その他の公益団体が担うべき仕事をやらせるのは、順序が逆です。

    このことがわからないまま、行政との連携だのと叫んでいる日弁連や単位会や主要なポストの人々が、ロースクール制度を推進し維持に躍起になっているのですから始末が悪いといえます。

    No title

    >個々の弁護士が、法テラスに協力するから、問題がこじれて長引いているのです。

    全くその通りです。
    飲食店が、「あんたは金がないから、通常1000円の定食を500円で食べさせてあげる」んですか?

    弁護士は普通の商売にすぎません。そこに公益だの社会的だのという抽象的な念仏が入るとおかしくなっちゃうんですね・・・

    病院が、無償で診療しますか(生活保護は無償だが)?
    お寺が、無償で念仏唱えますか?
    市役所が、無償で住民票を出しますか?

    私達よりずっとずっと公益性の高い人たちでも、無償ということはないんですよ。それを私達が無償でやらされる意味はどこにあるんでしょうか。

    法テラスなんぞに与する必要はどこにもないといえるでしょう。
    堂々と、依頼者と対等に話し合って、お互いが納得いく報酬を支払ってもらう。これこそが信頼関係を構築するうえで大切だと思います。
    「依頼者の負担にならないし話し合いもしなくていいから安くてもいいので法テラス」という弁護士は、責任を放棄しているのと同じで信頼に値しません。
    法テラスの利用は、こうした安直な弁護士の利用を促すものであり、依頼者のモラルハザードを誘発するものですから、公益的観点からも歓迎されざるものです。

    No title

    田舎弁護士ですが、会務の拘束が強すぎて、全然、自由業では無いですね。
    「雇用関係に縛られず、自らの専門的な能力によって自立する仕事」のはずが、弁護士会の事実上の強制によって、酷い状況です。
    対外的には偉そうに、労働法制に文句を言うくせに、会内ではタダ働きを強制するやり方には腹が立ちます。

    No title

    今日も金持ちだけを相手に仕事が出来るように精進いたします。

    No title

    弁護士が公益的存在だとかいう過ちを広めるのはやめましょう。

    No title

    >その自体を横目にして何も行動を起こさない?
    >そんなことはありませんよ、弁護士に依頼されるのであれば依頼を受けると思いますよ、弁護士は。
    。問題は対価を払わないことについては運よく忘れてしまっただけでしょう?
              ↓

    読み間違いだな。
    こんな文章読解力じゃ、ろくに仕事もこなせず、客も付かないだろうな。

    No title

    国家が法テラスにより意図的に弁護士を経済的に破綻させているのですから、日本ではもはや弁護士は職業としては成り立たない。

    結局、個々の弁護士が、法テラスに協力するから、問題がこじれて長引いているのです。公益活動=法テラス、と考える先生方が未だに多いのですが、洗脳でしょう。法テラスを通さずに、信頼関係を前提としたボランティア活動をしてみると、無駄な事務処理負担や規制なしに問題解決に集中できるので、お互いにメリットが大きい、ということに気づきます。弁護士の基本は、在野であり反権力です。自らが中共に逮捕され、親族までがとばっちりを受けても、自らの信念を曲げることのない、中国人権派弁護士には、大いに学ぶべきです。

    No title

    正当な対価も払わずに「正義のため」と称してタダ働きさせようと考えるバカサヨク集団が、何の関係もない投稿にこじつけて自説展開
    まさに本稿のとおり、自由業として終焉を迎えた弁護士業界に公益と称して採算の合わない仕事をさせることが出来ると思うのは勘違いに過ぎない。
    その自体を横目にして何も行動を起こさない?
    そんなことはありませんよ、弁護士に依頼されるのであれば依頼を受けると思いますよ、弁護士は。
    問題は対価を払わないことについては運よく忘れてしまっただけでしょう?
              ↓

    No title

    >法テラスという組織を批判するブログは大手検索サイトに見当たらず、逆にスタッフ弁護士個人の問題に矮小化するブログのみが上位を占める。
    >ただし、零細サイトでは法テラスそのものを批判する記事もしっかり出てくる。法テラスがネット上でどのような警備をしているかは、明白です。

    これは本当にそうだと思っていました。
    4年ほど前に、非正規雇用の事務員が同一労働・同一賃金とかで裁判を起こした件。
    大手新聞の「不慣れな」地方記者が大きく報道した後、全く紙上で見かけなくなりました。
    問題は、現在の雇用制度の合法性、訴えの利益ウンヌンにあるのではない。
    その間、その元非正規相手に、その組織は裁判所が求めた資料の提出を拒み続け、最高裁の決定が出るまで引き延ばして、
    1年以上も仮にも自分たちのために働いた元職員を経済的にも精神的にも痛めつけるようなことが平気でできる、ということ。
    また、その事態を横目で見ながら何も行動を起こそうとしない人間しか、今のこの国の法曹界にはいない、ということ。

    No title

    不幸中の幸いだったのは、2000年前後に議論となっていた「訴訟費用の敗訴者負担主義」が実現しなかったことです。これがあったら、市民は裁判制度を紛争解決手段として選択せず、ネット上の祭りと自力救済のみとなっていたはずです。現在でもすでに、後者が中心ではありますが。

    弁護士は、共産主義であれ資本主義であれ国家にとって邪魔な存在であり、いつの世でも弾圧の対象になるものです。特に、今はむき出しのナショナリズムが跋扈しており、どこの国でも弁護士で食っていくのは無理。刑務所にぶち込まれなければ幸い、と考えるべきでしょう。

    修習生に給料を与えろなんて言ってるが、おまえらはそうなることがわかっててこの世界に入って来てんだろ?と思うんだけど。66期以下ね。
    文句を言う前に仕事をしろよ仕事を。
    日弁連もいつまでやってんだか。だいたい、貸与制は、日弁連がローを欲しがり、法律扶助を国がやれって言ったから、じゃあ修習生には泣いてもらいますからね、ということで始まったんだろ?なーにいまごろ言ってんの。日弁連にすれば、修習よりローが大切なんだろ?
    どうしてかは知らないけど(苦笑)

    いくら偉そうなことを会長声明で言っても
    「はぁ?お前らいくら稼げるの?稼げない奴が偉そうに意見してんじゃねえよこの口先番長が!」と一喝されるだけだよね。
    それにしても弁護士会ってのは本当につまらないことばかりやってるよね。裁判員にどうすれば媚を売れるかのトレーニングしてるのを見てると、そんなことのために借金してしんどい目をして司法試験パスして、高い弁護士会費を支払わされて、なんて。くだらないことしてるよなーと思うよ。
    今の法曹養成制度からしたら、こんなくそみたいなことに時間を取るのはバカで、企業や資産家の財産をどうすれば守れるか、や、契約してんのに金を払わないDQNからどうやって金をむしり取るかを考えるべき。つまり、お金になること以外はやってはいけない。

    借金抱えてる弁護士は、まず借金返してから初めて人間として扱われるのだよ。借金返してもない奴が憲法改正反対だとか、法律かえろとか、弁護団活動とかやってるのを見るとらもっと先にやることあるだろお前らには(笑)

    と、市民は冷たく見ていますよ。
    お願いだからその辺りは自覚して欲しいな。自覚してないうつけ者が多いようなので。

    No title

    自由と正義という雑誌を見たことのない非弁さんには分からないだろうけど、一月あたり自己都合による「請求」退会の会員の数は30~40人居るんだよ。
    年間500人経済的理由で弁護士辞めるんだよ。
    口を開けば不景気だとかいうレベルじゃないんだよ。

    弁護士って本当にオワコンだよね。
    こんな業界を目指そうという学生が居なくなるのも当たり前だよ。
    法科大学院だけじゃなくて本体の法学部の学生すら減少して、因果応報だよね。
    弁護士にだけ唾を掃いたつもりで、自分に返ってくるとは思わなかったのかね。

    No title

    >弁護士って本当におわっちゃった職業だよなあー

    ネガティブなことしか書かない奴らが多くなったからだろ
    そりゃ自分の成功例なんて書くわけにゃいかないかもしれないが
    口を開けば「不景気だ」「どうなるかわからない」そのくせ身近には困ってる弁護士なんていないという……。統計だの何だの持ち出すけどそんなもん。

    No title

    弁護士って本当におわっちゃった職業だよなあー

    より悪い方向へ

    アメリカのMPREのテキストをご覧いただければお分かりいただけるかと思うのですが、アメリカでは裁判所が弁護士に対する懲戒権をもちます。

    したがって、公設弁護人が担当する刑事弁護は完全に形だけのものです。まじめに刑事弁護に取り組めば、マイケル・ムーアの妹のように、首にされます(ちなみに、公設弁護人のオフィスは、ほとんどの州で、裁判所の中にあります。メアドも裁判所から配布されています。公設弁護人は、裁判所のスタッフの一部です。)。ごく例外的にドリームチームを組めるスーパースターだけが無罪判決を受けることができます。現地で傍聴すればわかることですが、陪審員は寝ているし、ろくに証拠も検討していません。裁判官は検察官よりも検察官です。

    日本もこの方向に進んでいます。

    しかも、法テラスの元スタッフが笑止千万な刑事弁護研修を担当する、法テラスの報酬基準を批判し揶揄したまともな弁護士に対して元スタッフ弁護士が姑息にもFB上で懲戒請求をちらつかせる、という問題まで発生しています。

    法テラスという組織を批判するブログは大手検索サイトに見当たらず、逆にスタッフ弁護士個人の問題に矮小化するブログのみが上位を占める。ただし、零細サイトでは法テラスそのものを批判する記事もしっかり出てくる。法テラスがネット上でどのような警備をしているかは、明白です。

    以上のように、まるで中国共産党が中国人弁護士を弾圧するように法テラスが日本の弁護士を弾圧する、そのうえアメリカ並みに弁護士の収入が下がり生涯年収に至っては中卒の方がよい、となれば、もう法曹を目指す若者など現れるはずがありません。

    日本の司法は終わった、という他ありません。

    No title

    アメリカのMPREのテキストをご覧いただければお分かりいただけるかと思うのですが、アメリカでは裁判所が弁護士に対する懲戒権をもちます。

    したがって、公設弁護人が担当する刑事弁護は完全に形だけのものです。まじめに刑事弁護に取り組めば、マイケル・ムーアの妹のように、首にされます(ちなみに、公設弁護人のオフィスは、ほとんどの州で、裁判所の中にあります。メアドも裁判所から配布されています。公設弁護人は、裁判所のスタッフの一部です。)。ごく例外的にドリームチームを組めるスーパースターだけが無罪判決を受けることができます。現地で傍聴すればわかることですが、陪審員は寝ているし、ろくに証拠も検討していません。裁判官は検察官よりも検察官です。

    日本もこの方向に進んでいます。

    しかも、法テラスの元スタッフが笑止千万な刑事弁護研修を担当する、法テラスの報酬基準を批判し揶揄したまともな弁護士に対して元スタッフ弁護士が姑息にもFB上で懲戒請求をちらつかせる、という問題まで発生しています。

    法テラスという組織を批判するブログは大手検索サイトからは排除され、逆にスタッフ弁護士個人の問題に矮小化するブログのみが上位を占めるような始末。ただし、零細サイトでは法テラスそのものを批判する記事もしっかり出てくるので、法テラスが大手サイトに対して、手当たり次第に自分たちに好ましくないサイトの検索結果を削除要求している、ということは明白です。

    以上のように、まるで中国共産党が中国人弁護士を弾圧するように法テラスが日本の弁護士を弾圧する、そのうえアメリカ並みに弁護士の収入が下がり生涯年収に至っては中卒の方がよい、となれば、もう法曹を目指す若者など現れるはずがありません。

    日本の司法は終わった、という他ありません。

    No title

    弁護士激増政策が弁護士の窮乏を導くものであるということは、司法制度改革の前から少なからぬ弁護士が危惧し、それに反対の声を上げてきました。

    日弁連執行部はその批判に耳を貸さず、弁護士の激増を推進する側に立ちました。不思議なことに、アメリカの年次改革要望書による圧力、これを受けた政府の弁護士激増政策を自由法曹団も受け入れ、それが日弁連の大きな転機になったと思います。

    私は、2014年9月20日、司法ウオッチの、「【法テラス】弁護士、司法書士からみた、法テラスの現状の問題点について、ご意見をお寄せ下さい」に、次のように書き込みました。

    「弁護士激増のため、多くの弁護士が、報酬基準の低い法テラスの事件にも、しがみつかざるを得ないという状況もあるのですが、それは巨視的には、弁護士全体の収入を押し下げる要因になるはずです。自由競争市場と言いながら、巨大な弁護士供給機関がダンピングを行うのでは、自由競争にもなりません。」

    これによって、弁護士の変質が起きることは予測されていました。誰が弁護士の変質を企んだのか。アメリカの年次改革要望書が、日本の弁護士のアメリカ化、アメリカの弁護士との同質化を目的の一つにしていたことは、明白だと思います。財界が、弁護士というものを、企業の使い走りのようにしたいと考えたことも想像できます。

    政府は、司法を政治の下に置きたいという願望を一貫して持ち続けています。その主たる標的は裁判所、裁判官です。司法制度改革によって、官僚裁判官制度はますます確固としたものになり、政治が司法に優越する体制が強化されました。それは、アメリカの裁判官が法曹一元に基づいていることとの根源的な相違です。日本の裁判官は市民的自由を奪われ、囚人にたとえられています(森炎著「司法権力の内幕」ちくま新書、瀬木比呂志著「絶望の裁判所」講談社現代新書)。これは明白な憲法違反ではないでしょうか。

    弁護士が自由業だというのは、個人的な志向の問題ではありません。それは、弁護士法1条1項の、「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」、同2項の、「弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。 」という規定に現れています。また、弁護士法の要請に基づく日弁連会則15条には、「弁護士の本質は自由であり、権力や物質に左右されてはならない。」と定めています。

    しかし、弁護士の経済的基盤を掘り崩しながら、弁護士法1条や日弁連会則15条を弁護士に遵守させようというのは矛盾です。司法の弱体化という企みを粉砕しなければ、日本の司法は国策に逆らうことはできません。

    沖縄の問題が訴訟になったら、裁判官の判断は、はじめに結論ありきになることでしょう。

    No title

    釣りだよね2個下の人。
    そんなお○○なキミのために簡単に説明した例を教えてあげるよ。
    お気楽な××××××とは違うのだよ。
    http://bengoshiyodoyabashiosaka.dreamlog.jp/archives/1043560314.html

    弁護士の皆さん
    憲法解釈を政府見解に従いましょう。

    No title

    >「法テラス=官僚」「損害保険会社=巨大民間会社」に牛耳られる未来までが、この仕事の前に広がっている観があります。業界から聞こえる「自由業」終焉の予感は、それが当然、処遇において従属する

    「牛耳られる」「従属する」、インハウス型にしても、そんなに弁護士先生から見ると、会社員っていうのは身動きが取れない従属したものだと思われてるんですか?公務員はまぁ別として。

    逆に、弁護士としての魅力は自由業であることなんですか?
    まさか言いたい放題言えたことが自由っていうわけではないと思うんですが。

    No title

    平成26年度の「申告所得税統計年報」
    http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/tokei.htm
    弁護士は96ページから105ページまで。

    人数順に、税引き前で(手取り収入は、より少ない、ということ)、
    1位 赤字    7918人  
    2位 70万円以下 4221人
    3位 800万円超1000万円以下 2378人
    4位 400万円超500万円以下 2064人
    5位 300万円超400万円以下 2062人

    貧困ラインの年収300万円以下が9237人。
    弁護士会職員の公租公課等差し引き前の平均年収が600万円台。年収600万円以下の弁護士が15303人。
    確定申告をした弁護士の総数が30357人。

    ゆえに、
    弁護士の3分の1が貧困ライン。
    弁護士の半分が弁護士会の職員よりも低所得。

    弁護士以外の収入源(投資収入や年金収入)を含んだ金額であり、弁護士としての所得を主たる収入源にするものは26013人。1割以上は弁護士業務以外を主たる収入源にしている。

    現在のノーマルなケースの生涯年収(400万円×30年)を試算したところ、中卒の生涯年収と同じかより低い。大卒と比較すると、半分以下。若者が法曹を目指さないのは、当然。

    言いたいことは色々あるが、一言にすれば、法テラスも保険会社も、もくろみは失敗する。
    プロフィール

    河野真樹

    Author:河野真樹
    司法ジャーナリスト。法律家向け専門紙「週刊法律新聞」の記者・編集長として約30年間活動。コラム「飛耳長目」執筆。2010年7月末で独立。司法の真の姿を伝えることを目指すとともに、司法に関する開かれた発言の場を提供する、投稿・言論サイト「司法ウオッチ」主宰。http://www.shihouwatch.com/
    妻・一女一男とともに神奈川県鎌倉市在住。

    旧ブログタイトル「元『法律新聞』編集長の弁護士観察日記」


    河野真樹
    またまたお陰さまで第3弾!「司法改革の失敗と弁護士~弁護士観察日記Part3」
    河野真樹
    お陰さまで第2弾!「破綻する法科大学院と弁護士~弁護士観察日記Part2」
    河野真樹
    「大増員時代の弁護士~弁護士観察日記Part1」

    お買い求めは全国書店もしくは共栄書房へ。

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