「想定外」という不幸を生まないために

     東北地方太平洋沖地震で被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます。
     一刻も早い復旧を祈念いたしております。


     連日、テレビに映し出される映像に、全国の多くの国民が、言葉を失っています。想像を絶する災害の大きさと悲惨さ。被害にあわれた方々を含め大多数の国民にとっては、日常生活のなかで、まさに「想定外」のものであったことは、疑う余地もありません。

     専門家の方々の口から、「想定外」という趣旨の言葉が出ることも、この結果からみてしまえば、致し方のないことようにも思えてしまいます。

     でも、あえて、別の見方もしなければいけないところもあるのではないか、という気がしています。福島原発事故で関係者や専門家から言われる「想定外」という言葉を聞いて、果たしてすべてがこの言葉で片付けられていいのか、という思いもあるからです。

     そもそも原発の危険性の「想定外」とは一体何なのでしょう。今回のような事態に陥った時の、原発の持つ危険性を指摘する意見はもちろんありました。「想定」していた人の意見に耳をかさなかった結果という要素が少しでもあるのならば、単にそれは耳をかさなかった人間たちの「想定外」、想定されていた「想定外」になるからです。

     原発の政策は、「アクセルとブレーキを踏む人間が同じであるところに問題がある」と指摘する識者がテレビに出ていました。公正に想定できない人や、都合よく「想定外」の主張をしている人がいてもおかしくありません。

     そして、このこと自体は、今回の震災に限ったことではありません。法科大学院制度、新司法試験、弁護士の増員など、司法改革をめぐっても、推進派の誤算には「想定外」とする抗弁がつきものです。ただ、どこまでが本当の「想定外」で、どこからが想定できたことを想定しかったことの抗弁なのかは、やはり首をかしげたくなることがしばしばあります。

     責任ということもさることながら、「想定外」とされることになる不幸を、人の英知で少しでも生まないためには、どうしてもこのことの検証は避けて通れないと思います。

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    テーマ : 東北地方太平洋沖地震~The 2011 off the Pacific coa~
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    プロフィール

    河野真樹

    Author:河野真樹
    司法ジャーナリスト。法律家向け専門紙「週刊法律新聞」の記者・編集長として約30年間活動。コラム「飛耳長目」執筆。2010年7月末で独立。司法の真の姿を伝えることを目指すとともに、司法に関する開かれた発言の場を提供する、投稿・言論サイト「司法ウオッチ」主宰。http://www.shihouwatch.com/
    妻・一女一男とともに神奈川県鎌倉市在住。

    旧ブログタイトル「元『法律新聞』編集長の弁護士観察日記」


    河野真樹
    またまたお陰さまで第3弾!「司法改革の失敗と弁護士~弁護士観察日記Part3」
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