弁護士同士の「対等」な関係

     ご存知の方も多いと思いますが、中村真弁護士のブログ(「WebLOG弁護士中村真」)は、他の弁護士ブログにはない面白さがあります。法律問題や法律界の現実が軽妙でユーモアあふれる筆致でつづられていますが、なんといっても強調したいのは、掲載されている自作のイラストです(実はもはや個人的に大ファン。当ブログとテンプレートが同じというところが、なんだか気まずいのはともかく)。

     これは、中村弁護士の「不思議ワールド」です。ここには、法曹人を含めたいろいろな人物がテーマに関連付けた形で登場しますが、そこに彼の独特の皮肉やユーモアを交えた人間観察が見てとれます。セリフや絵説きと併せて、オチのうまさにもギャグセンスを感じます。また、裁判官にしても弁護士にしても、いないだろうけど、いそうな感じが絶妙なのです。

     その中村弁護士の最近のブログに「弁護士はみな対等」というエントリーがあります。 

      「この仕事をしていて『いいな』と思える数少ないことの一つに『事件では弁護士はみな対等である』ということがあります」

     一口に弁護士と言っても、受かった時期や扱っている事件、考え方、年収は様々でも、「基本的には弁護士同士、お互い対等な立場として尊重しあうという空気」が法曹界にはまだある。また、それはかなり期が上の弁護士とも同じ立場で話ができるという意味ではありがたいが、逆に能力不足を若さのせいにできないという意味もある、と。

     実は、この感じは弁護士をずっと見てくるとよく分かります。それは二つの要素に支えられていると思います。一つは、経験値の違いはあっても、同一の選抜過程と統一修習を受け、法律という、いわば共通言語で、議論を闘い合わせることができるということ。そして、もう一つは、独立した「資格者」であるということ、です。

     もちろん事務所内、弁護士会内では、上司・部下、先輩・後輩の関係はありますし、中村弁護士もいうように、敬語を使う関係もあります。ただ、前記した要素というのは、他の企業や組織、業界内との関係性からは、異質なものを形成しています。だからということもいえますが、法曹界外の目線で見ると、時に、それはやけに生意気に見える後輩であったり、やけに鷹揚な先輩であったりもします。実力の世界でもあると同時に、尊重し合う世界のようにも見えます。

     ただ、昨今の新・旧司法試験出身で分かれる後輩・先輩弁護士同士のなかで、時に展開されている、能力や質をめぐる、相互批判的なやりとりは、これまでとは明らかに異質のもののように感じます。「改革」がもたらしている、前記したような空気を変える嫌な風のように思えるのです。

     ところで、今回のイラストも傑作です。

      「なお、『基本的には』と書きましたが中には勿論例外もありまして、期や収入が上だとか、やってる仕事がスゴイだとか、胸にハンカチーフをさしているだとか、そういうよくわからない権威みたいなものを振りかざして居丈高に接してくる人もいたりします」

     今回、登場するのは、その例外の弁護士です。あえて説明はしません。これは是非、ご覧になってみて下さい。ただ、この弁護士のイラスト、私にはあくまで絵的には、ある一点の特徴を除けば、どうしても某著名弁護士に似ているように思えてなりません。実はモデルなのでしょうか。それとも描いているうちに、自然と似てきてしまっただけでしょうか。はたまた、それは、いかに「対等」でも、絶対に触れてはいけないことでしょうか。


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    テーマ : 弁護士の仕事
    ジャンル : 就職・お仕事





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    非公開コメント

    No title

    弁護士にとっての、事件とは、仕事。相手方弁護士とは、対等なのは周知の事実。だからといって、その事件が、裁判官から対等に扱われかといったらそうじゃない。ここで、弁護士の能力が問われる。
    まあ、最近の裁判官は、書面もほとんどよまないから、程度の質からいけば弁護士の方がまだましと言ったところ。

    No title

    ろぼっと軽ジKさん

    大変失礼致しました。
    ご指摘ありがとうございました。
    今後ともよろしくお願い申し上げます。        

    リンク切れですよ

    http://nakamuramakoto.blog112.fc2.com/blog-entry-154.html
    ただしいURLは↑のとおりです、確かに久●利弁護士にそっくりだ、発言含めて。
    プロフィール

    河野真樹

    Author:河野真樹
    司法ジャーナリスト。法律家向け専門紙「週刊法律新聞」の記者・編集長として約30年間活動。コラム「飛耳長目」執筆。2010年7月末で独立。司法の真の姿を伝えることを目指すとともに、司法に関する開かれた発言の場を提供する、投稿・言論サイト「司法ウオッチ」主宰。http://www.shihouwatch.com/
    妻・一女一男とともに神奈川県鎌倉市在住。

    旧ブログタイトル「元『法律新聞』編集長の弁護士観察日記」


    河野真樹
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