「気難しい」といわれた弁護士タイプ

     考えてみると不思議なことですが、今から30年くらい前には、弁護士に対するマイナスイメージの話として、「気難しい」という言葉がよく聞かれました。当時弁護士に知り合いが多い出版関係者と話しても、その付き合いのなかで、弁護士には、いわば「変わり者」と評されるほど「気難しい」人が沢山いて、ほとほと参った、という話があったりしたものです。

     私自身も、正直そんな体験は一度や二度ではありませんでした。なんと表現していいか難しい面もありますが、例えば、外交辞令的に電話口で、「先生、いつもお世話になっております」なんて言おうものなら、ぼそっと「お世話している覚えはないがね」と返してくるような感じ。要するに偏屈な感じとでもいいましょうか。もちろん、そんな人ばかりではないのですが、それに類する経験を沢山した感じは私にもあります。

     「気難しい」というのは、一面、「うるさ型」として、気を遣わなければならない存在にもなるわけですが、その中で意外と共通していたのは弁護士が弁護士を避けるパターンです。「あいつとは一緒に並べてくれるな」といわんばかりに、ある弁護士が掲載されたものに自分が載るのを嫌う形です。前にいた新聞社でも、ある弁護士の記事を大きく扱っていると、すかさず「彼を大きく扱うなら読みたくない」とか、時には、ある弁護士の年賀や暑中の儀礼的な広告が載っているだけでも「購読をやめる」と言ってくる弁護士もいました。もちろん、その弁護士が掲載に不都合なことをやっていたり、評判の悪い札付きの方というわけでは全然ありません。

     やや語弊がありますが、色分けをするという感じもあります。誰がいるグループ、誰の本を出版した出版社、誰が主催する会合などなど。もちろんそれが一種の傾向判断として成り立つ場合もありますし、そこから自分の判断で距離を置こうとするのも、それこそ自由ですが、過度にそれを持ち出す感じは、また別の意図や意識を感じます。

     弁護士のセクト主義的な傾向をいう人もいますが、それ以前に、プライドの高さ、自意識の強さからくるのかな、と思うことがありました。一緒にされたくない、距離をおきたいという意識の強さです。

     それが気がつくと、そういう弁護士にある時からあまり出会わなくなったような印象があります。プライドの高さからくる前記したような性向は今も全くないとまではいえませんが、評価において「変わり者」というレベルの方が減ったように思います。いまでも時々、弁護士会でいい評判を聞かない法律事務所の広告が載っている媒体に対しては、さすがに「並べられたくない」という弁護士の声を聞きますが、かつてのような訳が分からないような毛嫌いの仕方ではありません。

     変な表現ですが、「変わり者」がいなくなったということは普通になったということでしょうか。弁護士と話をしていて、たまにかつて出会ったそんな弁護士の思い出話になると、その人を知っていて「あの人は変わり者だった」なんて、弁護士の口から聞くと、やっぱり変わったのかなといった妙な気持ちなります。

     これをもってして、何がどう弁護士を変化させたのか、といった確固たることはいえません。ただ、あるいはここに弁護士のサービス精神や心掛けの変化を言う人もいるかもしれませんが、むしろそれ以前に、この世界に来る人間のタイプが変わったのではないか、という気がします。

     もちろん、隔離されたような世界に閉じこもって法律の勉強をしてくると、「変わり者」になる、なんて、そんなよく聞くような一般的なくくりが必ずしも当っているとも思いません。むしろそれよりは、特権階級的な意識を持って入って来る人の絶対数が減ったことで、そのなかの極端な勘違い組も減ってきたという方が当たっているような気がするのですが。


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    Author:河野真樹
    司法ジャーナリスト。法律家向け専門紙「週刊法律新聞」の記者・編集長として約30年間活動。コラム「飛耳長目」執筆。2010年7月末で独立。司法の真の姿を伝えることを目指すとともに、司法に関する開かれた発言の場を提供する、投稿・言論サイト「司法ウオッチ」主宰。http://www.shihouwatch.com/
    妻・一女一男とともに神奈川県鎌倉市在住。

    旧ブログタイトル「元『法律新聞』編集長の弁護士観察日記」


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